子宮筋腫についての解説です。
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子宮筋腫手術の種類は、大きく分けると、子宮ごと筋腫を摘出する子宮全摘手術と筋腫のみを摘出する筋腫核出術の二種類です。子宮全摘手術は、お腹にメスを入れて開腹する腹式子宮全摘手術と膣から行う膣式子宮全摘手術に分かれます。さらに、腹式子宮全摘手術には、筋腫のサイズが比較的小さな時や周辺の臓器との癒着がみられない場合にのみ可能となる横切開術と、それが不可能な時に行われることが多い縦切開の下腹部正中切開術があります。また、技術的な難易度が高く、受けられる病院もそれほど多くはありませんが、腹腔鏡子宮全摘術という手術方法も行われています。腹腔鏡子宮全摘術にも、腹腔鏡補助下膣式子宮全摘術(LAVH)、腹腔鏡下子宮全摘術(LH)、全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)とがあり、それぞれ手術の難易度や所要時間が違います。実施されている病院が極めて限定されている膣式子宮全摘手術に、三回結紮子宮摘出術という手術方法もあります。筋腫核出術は、筋腫だけを一つずつくり抜くように摘出する手術です。お腹にメスを入れ、開腹して子宮の外側から筋腫を取り除くことが多いですが、先端に電極が付いた子宮鏡により筋腫を焼き切る子宮鏡筋腫摘出術(TCR)が行われることもあります。その他にも、カテーテルを使用する子宮動脈塞栓療法や高線量の集束超音波を使うMRガイド下集束超音波手術といった手術方法があるものの、設備が整った病院でなければ受けることができません。子宮筋腫手術にかかる費用としては、開腹子宮全摘術と腟式子宮全摘術が自己負担費用20万円くらい、腹腔鏡子宮全摘術が自己負担費用25万円くらいです。開腹筋腫摘出術の場合には、その病状によっても異なりますが15万円から20万円くらいで、腹腔鏡筋腫摘出術で20万円くらい、子宮鏡筋腫摘出術(TCR)で7万円から10万円くらいかかります。子宮筋腫手術は手術の方法によっては、健康保険が適用されないこともありますし、薬代や入院費、検査代などが別途必要です。
子宮筋腫とがんの関係性ですが、基本的には無関係だといえるでしょう。子宮筋腫は良性の腫瘍で、がんは悪性の腫瘍ですが、子宮筋腫が悪性になったらがんになるのかというと、そういうことはありません。良性の腫瘍である子宮筋腫を放置したせいで、悪性のがんになってしまうということはないのです。子宮筋腫は筋腫の芽の数だけできるので、それぞれの腫瘍は全く別のものになります。それに対して、がんの場合には、元々は一つの腫瘍が異常な速度で増殖するのです。子宮筋腫の原因は現在のところ不明なのですが、生活習慣やエストロゲン(卵胞ホルモン)が関係しているのではないかといわれています。一方、子宮体がんの原因にもエストロゲン(卵胞ホルモン)が関係するとされているため、HRT(ホルモン補充療法)を行うと、子宮筋腫が増大したり、子宮体がんの罹病リスクが高まるでしょう。ちなみに、子宮頚がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(人乳頭腫)の16型と18型だといわれていて、主に性行為により感染します(皮膚感染することもあります)。子宮筋腫とがんは無関係ではありますが、子宮筋腫だと思っていたら、子宮肉腫だったということも珍しくありません。子宮筋腫の手術を受けたら、術後の病理検査で子宮肉腫だとわかるケースもありますし、その逆もあり、誤診が起こりやすいのです。そのため、子宮筋腫だと診断されたとしても、油断せず、継続的に経過を観察する必要があるでしょう。子宮筋腫を発症した後に、さらに子宮肉腫を発症することもありますので、子宮筋腫が再発した際にも注意した方がいいかもしれません。
子宮筋腫を発症した際、筋腫が大きすぎたり、筋腫の数が多すぎて一つずつ摘出するのが困難だったり、それ以外の治療法では症状の改善が困難である場合には、子宮の摘出を行わざるを得ないこともあります。また、出産経験があり、今後、もう出産する予定がなければ、子宮の摘出を勧める医師も多いです。子宮を摘出してしまえば、子宮筋腫が再発する恐れがなくなる上、子宮がんの罹病リスクもなくなるからです。子宮を摘出すると何が変わるかというと、月経がなくなり、妊娠できなくなります。でも、卵巣を摘出しなければ、更年期障害のような不快な症状が出ることはあまりないでしょう。ただ、子宮摘出手術の影響で女性ホルモンの分泌量が減ってしまうと、更年期障害の際にみられるような症状が出てしまう可能性もあります。それに、子宮筋腫を発症しやすいとされる年代は、更年期障害を発症しやすい年代と重なるため、実際には子宮を摘出した影響がなくても、不快な症状を感じることもあるといわれています。子宮を摘出すると、月経に伴う不快感や苦痛に悩まされることがなくなり、さらに、避妊に関する心配もいらなくなるため、すっきりした、もっと早く手術するんだったと思う方も多いようです。その反面、子宮を摘出したことにより、女性でなくなってしまった、(子供がいたとしても)もう子供が産めなくなったと精神的なダメージを受け、うつ病などを発症する方もいます。内臓下垂や膀胱炎、便秘などが起こることもありますし、月経がなくなることで痩せやすいタイミングがわからなくなり、結果的に太りがちになったという方もいるのです。
子宮筋腫は、30代から40代で発症しやすいといわれています。平成11年の厚生労働省の報道発表資料によると、40代女性の4人に1人が子宮筋腫を持っているそうです。では、20代の若い女性であれば、子宮筋腫になる可能性があまりないのかというと、そんなことはありません。近年では、20代の若い女性でも子宮筋腫ができてしまい、それが発見されることが増えているのです。初潮を迎えた女性なら誰でも子宮筋腫ができてしまう可能性がありますし、閉経を迎えるまでは子宮筋腫が育ってしまう恐れがあるでしょう。子宮筋腫は良性の腫瘍なのですが、子宮に腫瘍ができることにより、腹痛、頻尿、便秘、腰痛、貧血、出血といった症状の要因になります。また、不妊症や流産の原因になってしまう可能性もあるようです。レバーのような血の塊が経血の中に混じるようになったり、急に経血の量が増えたり、月経痛が酷くなったりしたら、婦人科を受診してください。それに、子宮筋腫があっても自覚症状が現れないことも少なくないため、将来、妊娠・出産したいと思っているのであれば、定期的に婦人科検診などを受けた方がいいでしょう。筋腫が小さく、数が少なければ、筋腫のみを切除する手術を受けられますが、筋腫のサイズが大きすぎたり、数が増えすぎてしまうと、子宮を全部摘出しなくてはならないこともあります。子宮筋腫ができる原因は、今のところ、明確にはわかっていません。でも、健康によくない生活習慣や過度のストレスによる免疫力の低下が引き金になるのではないかと考えられています。
女性ホルモンと子宮筋腫には、とても密接な関係があります。まず、子宮筋腫というのは、女性ホルモンの分泌が活発な時期が発症のピークです。初潮の前には発症しませんし、閉経後に発症することもないといわれています。また、子宮筋腫は女性ホルモンの分泌量が多いほど、大きく育ってしまいますから、妊娠して初めて子宮筋腫があることに気づくというケースも珍しくないのです。逆にいえば、女性ホルモンの分泌を抑制できれば、子宮筋腫を小さくすることができるので、子宮筋腫の治療ではホルモン療法で人為的な閉経状態にすることも多いでしょう。子宮筋腫の発症原因には、女性ホルモンが密接に関わっているらしいということはわかっていますが、具体的にどんな風に作用して子宮筋腫ができるのかは明確になっていません。ただ、睡眠不足や食生活の乱れ、過度なストレスなどにより、免疫力が低下してしまうと、子宮筋腫を発症しやすいと考えられています。それに、冷え性が子宮筋腫の要因の一つになっているといわれることもあります。そのため、子宮筋腫がみつかったことをきっかけに、冷え性の改善に取り組む女性も少なくないのです。子宮筋腫が大きくなりすぎたり、取り除けないくらい数が多かったり、再発を繰り返すようなら、子宮の全摘出手術を行うしかないこともあるでしょう。その場合でも、卵巣を残すことができれば、女性ホルモンは分泌されますから、更年期障害のような不快な症状が起こることはないはずです。
子宮筋腫ができてしまうメカニズムというのは、現代医学ではまだ解明されていません。東洋医学では、子宮筋腫の原因は子宮の周りの血の巡りの悪さだとされています。つまり、冷え性だったり、ストレスがたまっていたり、生活習慣が乱れていると、子宮周辺の血行が悪くなって子宮筋腫ができると考えられているのです。過度のストレスや飲酒で肝臓の機能が低下してしまっていると、特に血行が悪くなってしまうでしょう。また、冷え性の改善も必要不可欠です。東洋医学での子宮筋腫の改善方法としては、とにかく、子宮を中心とした全身の血行を改善します。子宮筋腫の改善のために処方されることが多い漢方薬には、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)などがあります。鍼灸治療では、鍼以外にもお灸を使っての施術を行うこともあるでしょう。ただ、何よりも、冷え性を改善し、生活習慣を見直すということが大切です。体を冷やさないように腹巻きや湯たんぽなどを使う、冷たい食べ物や飲み物、体を冷やしてしまう食材を摂り過ぎないなど、毎日の心がけが冷え性を改善します。東洋医学での治療・改善には時間がかかるため、気長に継続する必要があるでしょう。即効性はありませんから、もし、子宮筋腫の症状が酷いようなら西洋医学と併用する方がいいかもしれません。子宮筋腫の大きさによっては、すぐに手術が必要になることもあります。