発達障害についての解説です。
パワーアップして豊かな人生 > 発達障害の診断と治療方法
発達障害というのは、自閉症や高機能自閉症、アスペルガー症候群が含まれる広汎性発達障害、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)、言語発達障害、知的障害などの総称になります。発達障害の診断はとても難しく、複数の症状が重複していることもあるそうです。発達障害の明確な原因はまだ解明されていないのですが、先天的な要因であり、しつけや育て方などは関係ありません。発達障害の診断の際には、中枢神経系の器質的な疾患の検査もしなくてはいけないため、発達障害診療医師か小児神経専門医に診断してもらう必要があります。それ以外の医師の診断では、誤診が起こることも多いようですし、気休めのようなことをいわれて不安がつのるだけの結果に終わることも多いでしょう。もちろん、専門の医療機関以外に相談しても、発達障害の診断をしてもらうことはできません。我が子が他の子とは違うことを認めるのは難しいものですが、診断を先延ばしにしても、親子共につらいだけです。早めに診断を受けて、適切に対処してあげることで、子供の健全な発育にも繋がります。それに、療育機関での療育を受けたり、薬物療法を行うことで、症状が軽減できることもあるでしょう。発達障害をどこで診断してもらえばいいかなど、発達障害に関することは、各都道府県にある発達障害者支援センターに電話で相談することもできます。発達障害を放置したり、適切な対処をしないことで、将来、ひきこもりになったり、うつ病を発症するなどの二次障害が起こることも少なくないのです。
発達障害と診断された時、どのような点に注意するとよいのでしょうか。ほとんどの方は、我が子が発達障害だと診断されたことを受け入れられません。我が子に発達障害があるということを受け入れるまでには、五段階の過程を経ることが多いとされています。「ショック」、「否認」、「悲しみと怒り」、「適応」、「再起」の五段階です。もっと細分化して、十一段階に分けることもありますが、誰でも受け入れられないものだといえます。それぞれの段階にどのくらいの期間が必要になるかは、その人によりますから、夫婦の間で異なることも多いでしょう。その結果として、夫婦関係が一時的に悪化してしまうことも少なくありません。でも、子供を守り、育てるはずの親が我が子の発達障害を理解して受け入れてあげないと、つらい思いをするのは子供です。親が発達障害を否定したり、受け入れなかったことが原因になって、思春期や成人してから社会生活を送るのに支障をきたしてしまう例もあります。まずは、我が子の発達障害がどういう症状なのかを知りましょう。そして、どんな風に接することが子供にとってよいのかを学んでください。最近では、発達障害の子供やその親に対するサポート体制も整ってきています。一人で、あるいは、夫婦だけで悩まずに、サポート機関を頼るのも、結果的には子供のためになるはずです。たとえ発達障害の子供だったとしても、周囲が発達成長を正しくサポートすることができれば、十分に社会に適応していけます。
発達障害の治療方法としては、心理療法、行動療法、薬物療法などがあります。いずれの治療方法も、なるべく早期に治療を開始した方が、より効果を得られるでしょう。発達障害の心理療法は、医師や臨床心理士、カウンセラーなどによるカウンセリングが行われます。具体的には、対人関係療法や認知療法、力動的心理療法、精神分析といった手法を用いることが多いようです。発達障害の行動療法には、言語・コミュニケーション訓練、ソーシャル・スキル・トレーニングといった方法があります。その子のペースに合わせて、コミュニケーションスキルを向上させ、周囲の人間との関係を築けるようにサポートするのです。発達障害の薬物療法は、その子の症状に合わせて、問題となる症状を抑える薬を処方します。例えば、てんかんの発作が起こってしまうようなら、デパケンやエクセグランといった抗てんかん薬を服用するのです。他にも、ドーパミン拮抗薬や中枢興奮薬、セロトニン系薬剤などが処方されることがあります。薬を服用して症状を抑えることで、社会適応しやすくなりますが、その効果の分、副作用が起きてしまうこともあるでしょう。服用の際には、医師とよく相談し、その指導に従ってください。また、近年では、親も子供と一緒に治療を受けられるペアレントトレーニングなどの家族支援も行われるようになってきています。もし、発達障害の治療方法や教育に悩んだら、厚生労働省の発達障害情報センターなどに相談するといいかもしれません。
発達障害児の子供がいじめられて帰ってきたら、その子供の環境を変えてあげることを考えた方がいいかもしれません。発達障害のある子供は、周囲の人と上手にコミュニケーションをとることができないケースが多いため、いじめの対象になってしまいがちです。また、逆に、発達障害児が他の子供に暴力を振るってしまうということも少なくありません。親としては、普通級に通わせたいと思うのが当然だと思います。でも、周囲の受け入れ態勢が整っていない場合、無理に普通級に通わせてしまうと、子供本人がつらい思いをすることがほとんどでしょう。いじめが起こるかどうかは、担任の先生の力量に左右されます。しっかりした指導力のある先生が、クラスの子供に適切な指導をしていれば、たとえ発達障害があったとしてもいじめを受けることはないものです。ただ、現実には、発達障害児へのいじめを抑制するどころか、担任の先生がいじめに加担する、もしくは、いじめを助長することもあるでしょう。また、校長先生や教頭先生が発達障害児に対して偏見を持っていたり、内心ではいじめを容認していることもあるようです。子供は自分がいる環境を選べませんから、適応できないような環境であれば、もっと適応しやすい環境を探してあげるのも親の役目だと思います。それに、発達障害児が周囲に適応しやすいように、適切な治療を受けさせてあげるのも、必要不可欠なことでしょう。発達障害児をサポートする機関に相談したり、フリースクールなどに通わせるのも一つの選択です。
幼児の発達障害の注意点としては、まず、その子の症状をよく理解することです。一言で発達障害といっても、その症状の現れ方には個人差があります。ですから、一般的な発達障害の症状について知った上で、その子に現れているのがどんな症状なのかをよく観察するようにしてください。現れる症状によって、対処法も異なります。適切な対処をすることで、その症状を改善していくこともできるでしょう。例えば、発達障害の一種であるアスペルガー障害の場合は、言葉や知能的な遅れがほとんどないといわれています。でも、ルールが守れなかったり、人の気持ちを思いやったりすることができないため、周囲の子と上手くやっていけないことが多いのです。それでも、周囲には、ちょっと変わった子、自分勝手な子だと思われてしまうだけのこともよくあります。親や本人でさえ、思春期、または、成人するまで、アスペルガー障害だということに気づかないケースも珍しくありません。もちろん、本人はわけもわからず、仲間はずれにされたり、いじめられたりするのですから、精神的なトラウマになってしまうこともあるでしょう。幼児期からアスペルガー障害に気がつけたのであれば、どうしたら友達と上手く付き合っていけるのか、コミュニケーションの方法を教えてあげることが重要です。叱ったり、注意したりするのではなく、その子にとってわかりやすいように根気よく説明する必要があります。注意欠陥多動性障害(ADHD)の場合には、とにかくじっとしていることが難しいため、なるべく目を放さないようにすることが大事です。この発達障害は、突然、道路に飛び出してしまったり、周囲の子に乱暴をしたりする可能性が高いでしょう。また、集中力が続かないので、長々と叱り続けても理解できません。具体的にわかりやすく端的に伝える必要があるのです。この発達障害の場合にも、根気よくコミュニケーションのとり方などを教えていくことで、社会に適応していけるようになることが多いです。幼児の発達障害は、やみくもに叱ったり、ヒステリックに怒鳴ったりしないで、その子に合わせた子育てをしてあげてください。
成人発達障害とは、大学生以上の方の発達障害をいいます。これまでは発達障害というと、成人前の子供のものと認識されてきましたが、近年になって、大人の発達障害が注目されるようになりました。例えば、幼少期、思春期には発達障害だということに本人も周囲の人間も気がつかず、そのまま成長してしまったというケースです。この場合、社会人になり、仕事が上手くできなかったり、対人関係でのトラブルが頻発するようになって、発達障害だと判明することが多いでしょう。大人の発達障害は薬物療法などで症状が改善することも少なくありません。また、本人が発達障害を理解し、適切な対処を行うことで社会に適応できることもあるようです。ただし、成人になってしまっているからこそ、自分が発達障害だということを受け入れられずに、告知した医師に多大な迷惑をかけてしまうケースもあります。さらに、親が我が子の発達障害を認めたがらないということもあるそうです。発達障害の検査を受けること自体に抵抗があるという方も少なくないのです。とはいえ、発達障害の症状を放置していては、本人の生きづらさは変わりません。中には、成人になるまで発達障害の症状を放置していたがために、立ち直るのにかなりの時間がかかってしまうほどのトラウマを抱えてしまう発達障害患者もいます。まずは、発達障害の症状をチェックしてみて、発達障害の疑いがないかどうかを確かめてください。成人発達障害の研究やサポート体制は、子供の発達障害に比べると遅れているのが現状です。それでも、少しずつサポート体制も整ってきていますから、成人発達障害で悩んだら相談してみるのもいいでしょう。