学習障害についての解説です。
パワーアップして豊かな人生 > 学習障害のディスレクシアとトウレット症候群
学習障害の「ディスレクシア」と聞いても、一般の人にはまだ聞き慣れていない言葉だと思います。それでは、学習障害(LD)のディスレクシアとは、一体どういった障害を指すのでしょうか。ディスレクシアは、日本では「失読症」や「読み書き障害」とも言われていて、字がゆがんで見えたり、字がくっついて見えたり、字の形を記憶できなかったりといった読み書きが極端に難しい障害の事を言います。具体的には、 ・「b」と「d」、「p」と「b」、「ぬ」と「ね」、「い」と「り」と言った似た文字を混同する。 ・文字が左右逆向きの「鏡文字」を書いてしまう。 ・単語を逆から読んでしまう。 ・綴りを覚える事が出来ない。 ・文章をスラスラ読めない。 等、様々な症状が挙げられます。ディスレクシアは、学習障害の中でも代表的な存在で、その研究は学習障害の中で最も進んでいると言われています。アメリカでは、注意欠陥多動性障害(ADHD)と並んで、一般にもその症状がよく知られています。また、ディスレクシアの中でも、読むのはそれ程でもなく、書く事が極端に難しい症状を「ディスグラフィア」と呼んでおり、ひとくちにディスレクシアと言っても、程度や症状によって様々な種類が存在しているのです。ディスレクシアの原因は、現在ではまだ不明で、完全には治らないと言われていますが、実際には、ディスレクシア障害を克服して有名になった方は沢山いらっしゃいますので、根気良くこの障害と向き合う事が大切です。
LDとは、日本語で「学習障害」の事ですが、このLDと間違えられやすいものに、ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)、日本語で「注意欠陥多動性障害」があります。それでは、LDとADHDとの違いには、一体どんなものがあるのでしょうか。まず、LDは、学習上の問題を抱えている障害です。具体的には、 ・読む事や書く事が苦手であったり、遅かったりする。 ・集中して授業を受ける事が出来ない。 ・スペルミスや計算ミスなど、不注意なミスが多い。 等が挙げられます。 LDの中でも、言語や計算の分野に目立って不具合が見られるようであれば、「ディスレクシア」に分類される場合もあります。次に、ADHDは、行動上の問題を抱えている障害です。具体的には、 ・物事に集中する事が出来ない。 ・落ち着きが無く、授業中に歩き回る。 ・突発的な行動や乱暴な態度を取る事がある。 等が挙げられます。アメリカでは、単に落ち着かず、集中出来ないだけの場合はADD、他人に対して、攻撃的な態度や破壊的行為をするようなものをADHDと分ける場合もあります。つまり、LDは認知や学習面で、ADHDは行動面で問題になります。ただ、ADHDは時にLDを併発している場合もあり、その確率は30%から50%以上とも言われています。その為、LDとADHDのはっきりとした違いを判断する事は、現在では難しいと言えるでしょう。
学習障害を持っている人にとって、就職先を選ぶ際には考慮しなければならない点が沢山あってとても大変ですね。それでは、学習障害を持つ場合には、一体どのようにして就職先を選べば良いのでしょうか。学習障害とひとくちに言っても、その範囲はとても広く、症状も人によって様々です。まずは、自分にとって、どういった事が困難なのか、どういった事に問題があるのかを冷静に分析してみましょう。そして、同時に、自分は何が得意なのか、興味があるのはどんな分野なのかもはっきりとさせておきます。そうする事で、おのずと自分にあった就職先が決まってくるでしょう。ただし、せっかくベストだと思った就職先で、思わぬ配属先になったり、困難だと思われる分野の仕事を任されたりして、対処出来ない状況に追い込まれてしまう可能性もあります。そのような事を避ける為にも、面接の際には、必ず面接官に自分の学習障害の事を説明しておく事が重要です。もちろん、その事によって入社試験に落とされる場合もあるでしょう。けれど、せっかく就職出来たのに、「仕事に対してやる気がない」とか「ミスが多い」等と職場で誤解を受けてしまったり、迷惑を掛けてしまったりでは、結局辞めざるを得ない状況になってしまいます。学習障害をカバー出来るくらいの得意分野を持つようにし、面接の時に積極的にアピールする事を心掛けましょう。学習障害だからと言って、社会に出る事に消極的になる必要はありません。自分の長所と短所を冷静に見極めればいいだけの事です。
学習障害の認知度は、少しずつ広がってきていると言っても、まだまだ日本では理解されていないのが実状のようです。それは学習障害のお子さんを持つ家族にも言える事で、一体どうやって子供に接していけば良いのか、未だに戸惑っている家庭も多い事でしょう。学習障害の原因は、脳機能の障害と言われていますが、現在でもまだはっきりとした原因は判っていません。けれど、決して親の育て方や環境によるものではありませんので、親御さんは自分を責めたりしないようにして下さい。学習障害の子供は、知能に障害もなく、特定の能力以外は正常な事が多いので、周囲はその障害に気付きにくいものです。その為、「努力不足」と捉えられたり、「どうしてこんな事が出来ないの?」と言われてしまったりします。いじめにあったり、不登校に繋がったりするケースも当然あるでしょう。そんな時は、無理に周りに理解を求めたり、不満に思ったりせず、子供と一緒に悩み、辛い気持ちを共有してあげるようにして下さい。他人に学習障害を理解してもらう事は、容易な事ではありません。それならばせめて、親御さんや家族の人達だけでも、お子さんの障害を理解してあげて、家庭の中だけでも心穏やかに暮らせる環境を作ってあげるように努力して下さい。そうする事によって、お子さんも自信を持って学習出来るようになり、良い方向へと進む可能性が広がるでしょう。
現在の日本の学校では、特殊学級と言うものはあっても、学習障害の子供専門の特別学級はありません。学習障害の場合、知的発達に遅れが無い為、知能指数は平均である場合も多く、特殊学級への編入を断られてしまい、普通学級への通学を余儀なくされてしまうケースもあるようです。それでは、学習障害の子供が学校に行く時の注意点には、一体どんなものがあるのでしょうか。まず、学習障害は知的発達に遅れがないと言っても、もちろん、普通の子供達と同じスピードで学習を進められる訳がありません。教える側にとっても、特別な指導が必要となってきます。その為、学校側の理解が必要不可欠だと言えるでしょう。また、学習障害の場合、同時に行動上の問題を抱えている可能性もあるので、一緒に学習している他の子供に被害を与えてしまう可能性もあります。可能な限り、子供の学習の様子を参観するようにし、何かあればクラスの保護者と積極的に話し合う機会を持つようにすると良いでしょう。現在では、読みの場合は音声で読み上げたり、読み易いフォントに変換したり、書く場合にはパソコンなどを利用して表現出来るようにするなど、少しずつではありますが、学校でも学習し易い環境が整えられてきたようです。学習障害のお子さんを学校へ行かせる事に対しては、常に不安がつきまとうかもしれませんが、きっと将来へのプラスになるはずですので、勇気を持って学校へ通わせるようにして下さい。
「トウレット症候群」と聞くと、なんだか耳慣れない障害のようですが、「チック障害の中でも最も重症とされる障害です」と説明すると、イメージが湧くのではないでしょうか。それでは、トウレット症候群とは、具体的にどんな障害なのでしょう。まず、トウレット症候群を説明する前に、チック障害を理解する必要があります。チック障害とは、自分の意志とは関係無しに、顔をしかめたり、首を振ったり、キックやジャンプの動作を繰り返したりする「運動チック」、甲高い声を出したり、意味不明な言葉を繰り返したり、喉や鼻を鳴らしたりする「音声チック」に大きく分けられる神経障害の事です。トウレット症候群の診断基準では、この運動チックと1つ以上の音声チックが長期に亘って続く障害だとされています。トウレット症候群は、平均では7歳前後、ほとんどの例で14歳までに発症すると言われていて、その初期症状は、瞬きなどの単純な運動チックから始まり、次に、咳払いのような音声チックへと症状が進んでいくケースが多いようです。女子に比べて、男子の発症率が3〜4倍多く見られ、症状が強くなったり弱くなったりしながら、1年以上このチック症状は続きます。以前は、親の影響や家庭環境などがチックの原因とされていましたが、現在では否定されています。ただ、精神的なストレスにより症状が悪化する事は確認されている為、環境がなんらかの影響を与えている事は確かだと言えるでしょう。