先物取引についての解説です。
パワーアップして豊かな人生 > 先物取引の仕組みと種類
先物取引とは、将来のある時点での売買を事前に約束しておく取引のことです。「別に、その時点での値段で売買を行えばいい」と考え、先物取引などは必要ないと思っている人もいるでしょう。けれど、農作物などの値段は天候によって、石油などのエネルギーの値段は世界情勢によって予想より遥かに大きく変動する可能性を秘めています。例えば、輸出企業などは、為替が1円変動するだけで、何億もの損害が出てしまう場合がありますよね。そのようなことがなく、安心して取引を行うことが出来るように、予め決められた期日に、決められた価格にて取引を行うことを契約したものが先物取引です。こうすることによって、将来における損失を最小限に抑えることが出来るようになるのです。また、先物取引には大きく分けて3つの種類があります。まず、株価指数先物や国債先物などを取り扱う「証券先物取引」。次に、金利先物や通貨先物などを取り扱う「金融先物取引」。最後に、農産物、ゴム、砂糖、または、石油などのエネルギー関係や貴金属、非鉄金属などを取り扱う「商品先物取引」。私達がよく耳にする「先物取引」とは、最後の商品先物取引を指すことが多いようですね。先物取引では、約束した期日より前であっても売買が行える自由さもあります。それに、売買を約束していても実際の現物の受け渡しは行われず、値段の変動だけで決済を完結させてしまう「差金決済」という取引の方法が、現在の先物取引では主流となっているようです。
先物取引を始める際には、「証拠金」と呼ばれている自己資金が必要となってきます。しかし、株式の現物取引の場合と同じように、この自己資金内だけで取引を行うわけではありません。先物取引も、「レバレッジ」と言って、自己資金の何倍、何十倍もの金額で取引が出来るような仕組みになっているのです。例えば、日経225先物取引の最低取引金額は、指数の1,000倍です。現在の指数が10,000だった場合には、10,000×1,000で、なんと10,000,000円もの大金が必要となってしまいます。そこで、先物取引ではレバレッジを効かせることによって、少しの自己資金であっても取引が可能となるようにしているのです。この取引を行う上で、担保金とも言える自己資金を証拠金と呼んでいます。証拠金にレバレッジを効かせた金額で、実際の先物取引を行う仕組みなのですね。必要となる証拠金の金額は、各証券会社によって異なっていますので、取引を始める際には確認しておきましょう。また、このレバレッジによって、実際の先物取引を行う金額は自己資金よりもかなり高額な金額となる場合があります。例え値動きが小さくても、もしかすると実際の自己資金の金額よりも大きな損失を出してしまう可能性があるのです。先物取引は、ハイリスク・ハイリターンの取引であることを決して忘れないようにし、リスク管理を徹底して慎重に取引を行うようにしなければなりません。
商品先物取引とは、商品と名前が付いている通り、農産物や鉱工業材料、砂糖や石油を含むエネルギー関係の商品を、将来決められた時点で決められた価格で売買することを約束する取引で、先物取引の中のひとつです。商品先物取引の取引所は、経済産業省主管の「東京工業品取引所」、農林水産省主管の「東京穀物商品取引所」と「関西商品取引所」、両省共同の「中部大阪商品取引所」と、現在では日本国内に4か所の取引所が存在していて、それぞれの取引所にて上場されている商品が異なっています。東京工業品取引所で取り扱っている商品は、貴金属市場では、金、金ミニ、金先物オプション、銀、白金、白金ミニ、パラジウム。ゴム市場ではゴム。アルミニウム市場ではアルミニウム。石油市場では、中東産原油、ガソリン、灯油などがあります。東京穀物商品取引所で取り扱っている商品は、とうもろこし、Non−GMO大豆、一般大豆、小豆、粗糖、コーヒー、生糸などです。中部大阪商品取引所で取り扱っている商品は、貴金属市場では金。石油市場では、ガソリン、灯油、軽油などがあります。関西商品取引所で取り扱っている商品としては、冷凍えび(ブラックタイガー)、コーヒー指数、コーン75指数、小豆、粗糖、米国産大豆、とうもろこしなどが代表的でしょう。私達が聞き慣れている先物取引とは、この商品先物取引のことを指している場合が多いようです。
金融先物取引とは、価格や数値が変動する各種金融商品や金利などの商品を、将来決められた時点で決められた価格で売買することを約束する取引で、先物取引の中のひとつです。また、デリバティブ(金融派生商品)のひとつとも言われています。金融先物取引の種類は取り扱われている商品によって分けられていて、「国債先物取引」、「金利先物取引」、「株価指数先物取引」などがあります。国債先物取引とは、国債証券を取引の対象としている先物取引のことです。東京証券取引所で取り扱われていて、中期国債標準物を対象とした「中期国債先物取引」、長期国債標準物を対象とした「長期国債先物取引」などがあります。株価指数先物取引とは、株価指数を取引の対象としている先物取引のことです。日本では、東京証券取引所と大阪証券取引所で取り扱われていて、「日経平均株価先物」、「日経株価指数300先物」、「日経225mini」、「東証株価指数先物」などがあります。金利先物取引とは、金利指数を取引の対象としている先物取引のことです。日本では、東京金融先物取引所で取り扱われていて、実際に取引されている商品には、「ユーロ円3か月金利先物」、「ユーロ円LIBOR3か月金利先物」などがあります。金融先物取引と商品先物取引との違いは、先物取引の対象が農作物や鉱物などなのか、それとも金融商品や金利などなのかです。
先物取引でよく「ザラバ取引」、「板寄せ取引」と耳にすると思いますが、これは取引所における各商品の取引方法を表しています。まず、ザラバ取引ですが、これは取引の開始時間と取引終了時間が決められている取引方式で、この時間内であれば自由に取引を行うことが出来ます。株のトレードを経験していれば、同じ方式だとすぐに理解出来るでしょう。このザラバ取引が行われているものには、東京工業品取引所に上場されている金、銀、白金、アルミニウム、パラジウム、原油、ガソリン、灯油、ゴムなどがあります。一方、ザラバ取引と異なり、日本の商品取引特有の取引方法がこの「板寄せ」と呼ばれている方法です。この板寄せ取引ですが、取引時間は午前9時〜午後3時半までとされていて、この取引時間の間に、通常は午前(前場)3回、午後(後場)3回の取引が行われ、値段が決まっていきます。この取引タイムは、それぞれ「節(せつ)」と呼ばれていて、前場1節、前場2節、前場3節、後場1節、後場2節、後場3節と呼ばれます。この節ごとに、売り数量と買い数量の合計を比べて、売りと買いの数量を調節していきながら値段を決めていくのです。板寄せ取引では、節ごとに両方が一致した値段で全ての注文が成立するため、「単一約定値段方式」が正式名称となっています。この板寄せ取引が行われているものには、トウモロコシや大豆、コーヒーなどがあります。
先物取引の注文の方法にも、様々な方法があります。まず、基本となる注文方法が「成行注文」と「指値注文」です。これは、ザラバ取引、板寄せ取引、どちらの取引においても利用出来る注文方法ですので、必ず覚えておきましょう。成行注文は、特に値段や条件を指定せず、市場の流れに任せて注文した時点での値段で売買を行う注文方法です。とにかく取引を成立させたい場合に使います。指値注文は、予め指定した値段で売買を行う注文方法です。売りの場合には指定した値段以上で、買いの場合には指定した値段以下で取引が成立しますので、どうしてもその値段でないと取引を行いたくない場合に使います。また、この指値注文に様々な条件を付ける以下のような複数の注文方法が存在しています ・指値成行注文:その日の取引終了までに指値が成立しなかった場合、最終取引時で成行注文にします ・引成行注文:午前中に出した注文は午前中の相場終了時に、午後の注文は午後の相場終了時に成行注文にします ・ストップ注文(ST):指値した値段になると、成行注文が行われます ・ストップリミット注文(STL):指値した値段になると、指値注文が行われます ・IOC注文:取引を行う値段や時間、キャンセルを行う条件を指定します ・FOK注文:IOC注文と条件は同じですが、FOKでは指定した全枚数が成立しなければなりません ・逆指値注文:「買い」注文であれば指値よりも高くなった時に、「売り」注文であれば指値より安くなった時に注文が行われます。